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 Yarra Valley Waterはメルボルン最大の水道会社であり、600人の従業員で40億ドルを超える規模のインフラ資産を管理しています。

Client

Yarra Valley Water

Services

SharePoint Online, Power Automate, Power Apps

Industry

Utilities

Organisation type

Medium (500 – 1000 employees)

Country

Australia

背景

日々190万人以上がYarra Valley Waterの水道と下水処理サービスを頼りに生活しています。

同社の大規模モバイルワークフォースは、信頼性が高く正確な安全性監査を実施し、インシデントをタイムリーに報告するため、現場で利用できるモバイル向けセキュリティソリューションが必要でした。また、最新の安全情報やアラートにアクセスし、迅速な意思決定を行う必要がありました。

Engage SquaredはPower Appsを用いて、2週間でパイロットアプリを構築し展開しました。このパイロットの成功を経て、日常的な安全業務の自動化やレポートの管理とアーカイブ機能を持ち、SharePoint Online、Flow、Power Appsを搭載した完全なソリューションを構築しました。

Engage Squaredは、あらゆる業界のクライアントと連携し、デジタルワークプレイス戦略の策定および実装を行っています。戦略は長期的なニーズを支援するため画期的な手法を用い、従業員エクスペリエンスを中心に、迅速なクイックウィン(短中期的な成果)を重視して策定されます。

“「レポート提出だけのためにオフィスに戻ることは、従業員に大きな負担でした。この負担が解消されることで、スタッフの意欲と業績は大きく改善するでしょう」”
Yarra Valley Water/ソリューションアーキテクト:Axel Bendix

課題

Yarra Valley Waterのモバイルワークフォースには、重要な安全活動を現場で完了させるために必要な最新ツールがなく、書類やメール、本社への電話連絡に依存していました。

安全活動を推進するための適切な方法に関するスタッフへの情報提供は、安全手順書類が詰まったバインダーだけでした。しかしながら書類の配布と更新には多大な時間がかかり、安全性の遵守を妨げていました。

Microsoft 365がSharePoint OnlineやSkype for Businessなどのツールと併せてチームのコラボレーション目的で用いられる一方、SharePoint 2013など既存ビジネスアプリケーションがオンプレミス環境に残されていました。オフィスでのレポート作成にはInfoPathフォームが利用され、SharePoint 2013内のリストに保存されていましたが、インシデント発生からInfoPathフォームでのレポート作成には大きな時間差がありました。

“「従来ツールとプロセスでは人的エラーや、データの重複処理が生じ、時間が浪費されがちでした。」”

書類に記入された疲労評価は、従業員エクスペリエンスが低く、現場からのインシデントや危険性レポートが一貫性に欠けるという結果を示していました。

また、重要な安全警告のスタッフへの伝達方法も課題でした。メール送信だけでは受信ボックス内に埋もれ、見過ごされる恐れがあるためです。

これらの課題はYarra Valley Waterが既存の安全性プロセスを見直し、簡略化しようと考えるきっかけとなりました。同社は安全性シナリオだけでなく、他のビジネスケースに関しても、迅速なモバイル開発とワークフォースへの配布が可能なプラットフォームが必要であると考えましたが、一方で、最適なプラットフォームを選定する知識がありません。そのため、Engage Squaredとの契約以前に、1年半をかけてソリューションのスコーピングを行ったものの、計画を前に進められずにいました。

解決策

Yarra Valley Waterが目指す2つの主な目標:

  1. ワークフォースへ簡単に配布でき、モバイルソリューションを迅速に開発可能なプラットフォームの決定
  2. 高品質なエンドユーザーエクスペリエンスを提供し、ワークフォースに日々情報を伝達し、継続的にレポートを提供するモバイル安全性アプリの構築

Engage SquaredはYarra Valley Waterと協力し、UIのデザインから、データストレージの読込みと書込み、アプリケーションのライフサイクル管理に至るPower Appsのケイパビリティをスタッフに指導するワークショップを実施しました。また作業前の安全性チェック、安全手順文書へのアクセス、重要な安全性警告へのアクセスなどの安全活動機能をパイロットアプリに組み込みました。

アプリは2週間で作成、テスト、パイロットグループへの展開が行われました。このパイロットに参加したグループからの前向きなフィードバックに基いて、Yarra Valley Waterは要件のテストと検証を速やかに実施できるPower Appsを最適なプラットフォームであると判断し、完全版のソリューション構築を開始しました。

Power Appsを提供する機能:

  • リアルタイムなアラート、フォローアップを義務付ける疲労評価の自動スコアリング
  • ハザード周知およびインシデントレポート
  • アプリ内の安全作業手順ライブラリ
  • ダイナミックな指示による作業前の安全性監査

スタッフは自分の電話を用いて写真を撮影できるため、レポートを記入するためにメールを作成し添付書類を探す必要がありません。また、GPSにより問題の発生場所も記録されます。そのため、本社は即座に写真と撮影場所を確認することができ、人員を送り詳細を確認する手間がかかりません。

Microsoft Flowは、SharePoint内のアクティビティを監視します。新たな安全性レポート、ハザード、またはインシデントが作成されると、FlowはSharePointのリストを確認し、適切なチームに措置を講じるよう通知メールを送信します。撮影された写真が存在する場合は自動でメール添付されるため、チームは情報を迅速に確認することができます。

同時にすべてのデータがSharePoint Onlineのリストに保存され、安全性チームはExcelまたはPower BIでレポートを作成できます。また、アプリ内の安全アラートをリスト上で簡単に作成できるため、緊急メールを送信する時間を省けるだけでなく、一貫性のあるユーザーインターフェースでの提供が担保されます。その結果、チームは、デスクトップ上でオンプレミスのSharePoint 2013環境にアクセスすることなく、場所を選ばずデータを作成、分析することが可能です。

インパクトの創出

成果

最終的な成果は、安全性プロセスとコンプライアンスを飛躍的に改善するモバイルビジネスアプリと、将来的なアプリケーションソリューション提供の基盤となる戦略的プラットフォームの構築です。

このソリューションにおいて、当社はYarra Valley Waterによる次の成果を支援しました。

  • 安全手順を効率化し一貫性を向上
  • コンプライアンス経費を大幅に削減
  • データのレポートおよび分析品質を明確化および向上

Yarra Valley Waterがソリューション構築に用いたテクノロジー

SharePoint Online
Microsoft SharePoint Onlineは、ウェブサイト構築が可能なクラウドベースのサービスで、情報を安全に保存、アクセス、管理、共有することができます。また高度なコラボレーション環境では、組織内外のユーザーが連携し、あらゆるデバイスから文書を共同で編集することができます。
Power Automate
Microsoft Power Automateは、アプリおよびサービス間の自動ワークフローを作成することにより、タスクを合理化できるサービスです。これにより、ファイルの同期、通知の受信、データ収集などが可能となります。ローコード、ドラッグアンドドロップツール、膨大な構築済みコネクタを用いて、繰り返しの多いタスクや日常業務を簡単に自動化することができます。
Power Apps
Microsoft Power Appsは、アプリ、サービス、コネクタ、およびデータプラットフォームを擁した製品で、要件に応じたカスタムアプリを構築することができます。プロレベルのアプリやコネクタがローコード開発できるクイックな環境を備えており、速やかな開発やリリースと同時に、毎回のメンテナンスやアップデートも可能です。