Power Appsによりコンプライアンス監視を合理化

RACV

Royal Automobile Club of Victoria（RACV）は、自動車およびモビリティ、住宅、レジャー、金融サービス、損害保険の分野において、幅広い製品とサービスを会員に提供する自動車クラブ兼相互団体です。

非効率なレガシーシステムでは、データの重複入力やレポート抽出のマニュアル作業が頻繁に必要とされていました。特にレポートについては、従業員が複数のデータベースから結果を手動で抽出しなければならず、作成までに毎月最大３日を要していました。

レガシーシステムは既にメーカーによるサポート期間が終了しており、新たな監視プログラムや、ビジネス要件の変更に対応した修正も不可能でした。

データ損失やシステム障害のリスクを軽減すると同時に効率化し、レポート品質を高めるために、Engage Squaredと共に新たなデータベースを構築するプロジェクトが立ち上げられました。

初めに新たなソリューションを推進する適切なテクノロジーパートナーを選択しました。ビジネス要件が策定され、RACVの調達＆テクノロジーチームの協力のもとで、ソリューションを実現する適切なテクノロジーが特定されました。高額でこのプロジェクトには不要な機能を持つ大規模なリスク管理ソフトウェアソリューションも検討されましたが、Engage Squaredが提供する最新のPower Appsプロジェクトの要件の一部に、プロジェクトで利用可能な共通点があることが決定的となりました。

RACVとEngage Squaredは、プロジェクト完了に向けたスプリント型アプローチを開始する前に、協力してソリューションの要件を把握しました。スプリントベースのアプローチでは、頻繁に開発を更新することができるため、RACVは十分にソリューションを理解することができました。

マニュアル作業の自動化

Engage Squaredが開発を支援した新しいPower Platformにより、コンプライアンス担当コンサルタントはデータをより速やかに入力できるようになり、結果的に生産性が向上しました。導入以降、リモートワーク中にもダウンタイムやパフォーマンスの課題は報告されておらず、現場担当者は、新たなアプリの高い安定性を実感しています。従業員からも、新たなデータベースは非常に使い勝手がよく、最小限のトレーニングで直感的に使用できるという感想を得ています。

RACVのリスク＆コンプライアンスマネージャーを務めるPat Bianchi氏は、毎月３営業日を費やしていたマニュアル管理業務を削減できたことが、最大の利益だと述べています。Power BIのダッシュボードは１時間に1度更新されるためレポートデータはバーチャル上リアルタイムであり、管理者や関係者は、必要に応じいつでも「自分で」入手することができます。また管理者はもはや業績データの確認を月末まで待つ必要はありません。新たなデータベースにより、業績を予見的に把握し、改善領域をリアルタイムで見極め、電話や店舗スタッフを直接コーチングすることで、即時対応が可能です。優れたリソースにより、現場管理者はコンプライアンス実績を一括監視できるとともに、可能な限り最高の会員エクスペリエンスを提供できるようになりました。

ソリューションはOffice 365内でホスティングされるため、導入に追加のライセンスは必要ありません。初期投資に続くランニングコストを最小限に抑えることができるだけでなく、多用途のプラットフォームであることから、事業や要件の変化に応じてアプリを継続的に改善し修正することが可能です。稼働中のプラットフォームにダウンタイムを発生させることなく、変革と改善を簡単に行うことができるため、アプリに対しては全従業員から非常に前向きな意見が寄せられました。

RACVはカスタマイズアプリの可能性を実証しました。さらに高度な管理情報を入手するために、このソリューションを現在使用中の他のシステムやデータベースに統合するという壮大な計画が現在検討されています。

タイミング良くクラウドベースのソリューションが導入されたため、リスク＆コンプライアンスチームは、コロナ禍でも作業環境をリモートワークへ円滑に移行することができました。不安定なレガシーシステムでは極めて困難なことです。また、プロジェクトの大成功は、ソリューション投資の活用を検討したいという他部門からの関心も集めています。

この投資によりRACVでは社内手続きの改善が図られただけでなく、管理者は最新かつ正確な情報を確保でき、これにより規制要件を満たすと同時に、会員に対して最高のサービスを提供できるようになりました。