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お客様は約2,000人のスタッフで20万人の住民生活を支える、オーストラリア最大規模の地方政府です。

Client

Withheld

Services

Microsoft 365, SharePoint Online, Power Automate

Industry

Local Government; Council

Organisation type

Medium (2,000+ employees)

Country

Australia

背景

この地方政府は持続可能性と文化活動を重視し、世界的都市としての評価を高めることに注力しています。デジタルトランスフォーメーション推進においては、最新かつ操作性の高いイントラネットの導入が最重要課題でした。

プロジェクトは、特定の視点で選別されたコンテンツにアクセスできるモダンUIを通じて、スタッフのユーザーエクスペリエンスを高め、スタッフとのコミュニケーションと生産性向上を目的に立ち上げられました。場所やデバイスを選ばず利用できる最新レスポンシブなイントラネットサイトの提供により、すべての従業員による業務上必要な最新情報、リソース、ツールへのアクセスが容易になると想定されました。

“「よく利用するページをタグ付けし、自分用のITツールを1か所で簡単に選択できるダッシュボードが非常に気に入っています。毎朝ダッシュボードを開きますが、局内情報やポリシーへのアクセス時間が大幅に削減されました。」”
クライアントの職員

課題

従来のイントラネットサイトは、オンプレミスのSharePointを用いて2011年に展開されたものでした。ほとんどの変更は開発を必要とし、軽微な設定変更にも高度なSharePointの知識が求められるため、プラットフォームは展開当時から若干変更されただけでした。デザインは旧式で、ナビゲーションは構造化されておらず、ページは煩雑、かつテンプレートやスタイルシート構成は不十分で、アクセシビリティ基準にも準拠していないばかりか、検索機能も設定不足で性能が低く、直感的操作とは対極にあり、全社から不満と困惑が寄せられていました。

コンテンツは、部署ごとに分割され管理も個別に行われており、編集者の指針となる情報アーキテクチャやコンテンツ戦略も存在しません。このため一貫性がなく、古い、信憑性のないコンテンツが重複する結果となり、職員は情報が検索しづらいばかりか、検索出来たとしても理解困難・誤った情報であるなど、イントラネットサイトの有用性は極めて低い状態でした。さらに組織外のネットワークからアクセスすることも不可能で、多くの現場スタッフ(全従業員のおよそ半数を占める森林保護管、廃棄物および清掃スタッフ、庭園スタッフなど)は待機所以外からアクセスできず、スタッフ間のやり取りを阻害していました。

イントラネットのホームページは、主要機能をも隠す雑然なデザイン、膨大なメニューの境界は不明瞭、編集も困難という、サイト全般の特徴を表していました。

そこで、最新テクノロジーであるSharePoint Onlineを用いた、効率的かつ操作性の高い新たなイントラネットサイトへの移行が決定されました。決定はMicrosoftと強固な関係性を持つ地方政府の意見と同期するものでした。Engage Squaredとの合同プロジェクトチームが立ち上げられ、2020年10月の稼働に向けイントラネット変革が実行に移されました。

解決策

コンテンツの所有者やイントラネット機能の開発には12部署、75部門、2,500ページ、15サブサイト、300人の編集者が関与しており、Engage Squaredにより大規模な要件収集プロセスが推進されました。要件を検証し、共通パターンを導き出し、職員が求める主要な機能を決定しました。

プロジェクトは、テクノロジー(必要な機能性を持つプラットフォームの実現)とコンテンツ(キュレーションおよびガバナンスの管理)という、2つの対照的だが関連する分野に分けて実行されました。

イントラネットサイトはコンテンツがすべてです。

Engage Squaredは連携して包括的なコンテンツ戦略を定義し、コンテンツキュレーションプロセスにおける4つの主要指針を特定しました。

  • コンテンツは明確かつ共通の構造で表示する
  • 部署ではなくユーザーに向けコンテンツを提示する
  • 明確な用途と目的を持つコンテンツに限定する
  • すべてのスタッフに関連性のあるコンテンツを提供する

コンテンツの包括的なリライトの開始に際し、これらの指針を促進するコミュニケーショングループが、新たなイントラネットサイト(およびプロジェクト)の所有者となりました。

また、サイト構造やコンテンツの接続方法、情報の表示方法を定義した情報アーキテクチャが構築されました。情報アーキテクチャは、随時更新文書として設計開発に応じて改良され、最終成果物に反映されました。

重要なのはイントラネットサイトのデザインです。次のような指針が策定されました。

  • サイトのブランド化を徹底する
  • ベストプラクティスおよびMicrosoftのガイドラインを用いて、適切な体裁をSharePoint OnlineのモダンエUIで実現する
  • 共通のコンセプト(例:カテゴリー)を用いて、公開ウェブサイトと同じ体裁に統一する

プロジェクトチームはビジネス目標、ユーザー業務、サイト内外の導線、主要コンテンツを含む主要ページの区分定義など、設計プロセスを細部まで検討しました。ワイヤーフレーム作成後は、お客様チームが主要ページタイプごとに高性能なインタラクティブプロトタイプを確認するなど、徹底的な作業が行われました。

大規模地方政府を支援したテクノロジー

イントラネットはEngage Squaredのイントラネットアクセラレータで強化されたSharePoint Onlineを用いて構築されました。Microsoft 365の性能を駆使することで、真のデジタルワークプレイスと、すべての主要リソースへのアクセスが実現されました。

TRIMの同期

主な統合コンポーネントは文書へのリアルタイムなアクセスを可能にするTRIM(政府の文書管理システム)でした。以前は社内ネットワークに属さない職員はTRIMにアクセスできなかったため、SharePointとの統合により、現場スタッフはこれまでアクセスできなかった文書を入手できるようになりました。

TRIMの統合には、TRIMコンテンツのSharePointへの移行、インデックス付け、すべてのロケーションで全職員がアクセスできるようにするための、タグ付けおよび同期プロセスの構築を、文書チームと協力して行う必要がありました。同期はアクセスするコンテンツがほぼリアルタイムとなるよう1時間に1度行われ、また、文書変更が通知されます。

従業員エクスペリエンスのパーソナライズ

パーソナライズされたエクスペリエンスが提供され、職員はイントラネットサイトを初めて管理できるようになりました。これは従業員エクスペリエンスを適切に高める上で極めて重要です。

課題

調査と設計フェーズの開始後間もなく、新型コロナウィルスの世界的パンデミックが発生しました。合同プロジェクトチームはすべての活動をオンラインに移行しましたが、関係者全員が共同体精神を以てプロジェクトを遂行したため、遅延や障害は生じませんでした。

“「検索も極めて容易で、探している情報が正しく見つけられるのは初めてのことです。」”
お客様(職員)

効果

現在イントラネットサイトでは、2,000人を超える職員が同僚とつながり、人気のツール、ガイド、スタッフのニュース記事、ポリシー、戦略にアクセスしています。最新のイントラネットコンポーネントとテクノロジーを用い、ブランドイメージに則したデザインがなされており、今や職員の日常的なツールキットとして不可欠です。

魅力的なホームページ、パーソナライゼーションオプション、直感的な操作性、スマートな検索に、週次のメール通知が加わり、一元的にキュレーションされた簡潔かつ一貫性のある有益な情報を含む豊富なコンテンツに、容易にアクセスできます。

ビジネス課題の解決

コンテンツ:古く一貫性に欠ける、重複した情報を持つ2,200ページ以上を削除し、信頼できる唯一の情報源に一元化

編集者:300人の編集者が一つのコンテンツ管理チームに集約され、新たなコンテンツ作成戦略を管理するとともに、新イントラネットサイト上で信頼性の高い情報を実現

部署志向からユーザー志向イントラネットに移行:部署および部門内でサイロ化された情報を、ユーザー志向でコンテンツを提供するイントラネットサイトに移行

パーソナライズされたダッシュボード:パーソナライズされたダッシュボードの作成により、職員は使用頻度の高い文章やお気に入りページを保存。ITツールは、単なる情報文書コンテンツレポジトリから、従業員にとて信頼できる日常のツールに移行

サポート:テクニカルサポートを39%以上削減

操作性:各ページの操作を簡略化および一貫性を向上

TRIM:全スタッフが場所を選ばす文書管理システムにアクセス可能

人材:組織内の人事システムと有効なディレクトリを同期し、従業員情報を常に最新化

戦略的メリット

信頼できる唯一の情報源として、イントラネットサイトでは現在信頼性の高い情報が提供されており、すべての職員は最新のポリシー、ガイド、フォーム、ツールを用いて、個々の判断、とりわけ法的またはコンプライアンス関連の判断を行うことが可能です。

運用/現場スタッフはモバイル経由で情報を参照し即応性を高めるとともに、情報の確度や現行ポリシーおよびガイドラインへの準拠状況を、現場でチェックすることができます。

有用性

WAVE Web Accessibility Toolを通じて、旧ホームページに23のアクセシビリティエラーと42のアラートがあることが判明したことが、新規にイントラネットを開発するきっかけとなりました。WCAG 2.0のレベルAAに適合できるようアップグレードすることで、シドニー市職員のアクセスを向上するとともに、エラーを0に、アラートをわずか5まで削減しており、これは90%の軽減に相当します。

時間削減

人材およびコンテンツ検索の向上、パーソナライゼーションによるページ再閲覧の軽減、コンテンツ収集グループおよび標準操作の合理化により、全職員が作業時間の削減に成功しました。

導入および使用

1ページあたりに要する平均時間:新たなCityNetでは1ページに費やされる時間が6.25秒となり、旧CityNet(1.39秒)と比較して390%増加

人材検索:ホームページに次いで第2位のページアクセス

パーソナルダッシュボード:新CityNet上で第3位のアクセスページ

モバイルアクセス:モバイルデバイスを用いてCityNetにアクセスするユーザーが月間15%以上増加

概要:

  • 2,200ページを削除
  • 信頼できる唯一の情報源
  • テクニカルサポートを39%削減
  • モバイルトラフィックを月間15%増加
  • 1ページあたりに要する時間を6.25秒から390%増加
  • 300人の編集者を削減し1つのコンテンツ管理チームに集約
“「すべてのガイド、テンプレート、フォームが1か所に集約されているのは素晴らしいことです。以前はあらゆる場所に分散されていたため見つけるのが困難でした。」”
お客様(職員)

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Microsoft 365
Microsoft 365は、Outlook、Word、Excel、PowerPoint、Teams、OneNoteなどの一般的な生産性ツール(Office)に加え、インテリジェントなクラウドサービス、および世界水準のセキュリティを提供するサブスクリプションサービスで、従業員と組織のコラボレーションを円滑化し、より多くのデータのアーカイブが可能です
SharePoint Online
Microsoft SharePoint Onlineは、ウェブサイト構築が可能なクラウドベースのサービスで、情報を安全に保存、アクセス、管理、共有することができます。また高度なコラボレーション環境では、組織内外のユーザーが連携し、あらゆるデバイスから文書を共同で編集することができます
Power Automate
Microsoft Power Automateは、アプリおよびサービス間の自動ワークフローを作成することにより、タスクを合理化できるサービスです。これにより、ファイルの同期、通知の受信、データ収集などが可能となります。ローコード、ドラッグアンドドロップツール、膨大な構築済みコネクタを用いて、繰り返しの多いタスクや日常業務を簡単に自動化することができます。