Client
Honda Techno Fort Co., Ltd.
Industry
Engineering service
Country
Japan
Services
Viva Glint
日本マイクロソフトのViva GlintコンサルティングパートナーであるEngage Squaredでは、この取り組みを導入から活用まで伴走支援してきました。
本インタビューでは、取り組みを主導する総務人事部の皆さまに、Viva Glint導入背景や、同社の目指す姿などについてお話を伺いました。
総務人事部 Chief Administrator 寺島:総務人事部では、従業員一人ひとりの「働きがい」と「働きやすさ」の向上を目指し、人事制度の一環として2020年よりエンゲージメントサーベイに取り組んでいます。当社は開発を主軸とする企業として、技術力の向上については自信を持っています。一方で、「人を育てること」や「人への関心を深めること」については、まだ改善の余地があると感じています。Hondaフィロソフィーの基本理念である「人間尊重」を体現していくためにも、従業員の想いや声を“見える化”する手段のひとつとして、エンゲージメントサーベイを重視しています。
Viva Glintとは?:Viva Glint は、組織が従業員からのフィードバックを理解して対応行動を取るためのお役に立ちます。従業員の意見を汲み上げるプログラムを実施し、さまざまな事項 (エンゲージメント、オンボード、退職、多様性とインクルージョン、デジタル トランスフォーメーション、変更管理、360 度評価、各種の重要な出来事など) に力点を置いたカスタマイズ可能なアンケートを行うことができます。
総務人事部 Principal Administrator 齋藤氏:従業員一人ひとりの「働きがい」と「働きやすさ」を高めていくために、当社では2020年より従業員を対象に従業員活性度に関するアンケート調査を行い、スコアの経年推移をモニタリングしてきました。測定結果は事業部門の管理職層にも共有しており、各職場の状況を管理職層と一緒に振り返る良いきっかけになっています。
寺島:当社には兼ねてから、「管理職層のリーダー育成」に対する課題意識がありました。そして、測定結果の共有を(2024年のViva Glint導入を機に本格的に)をはじめてから、管理職層の意識に変化が見られるようになりました。「チーム単位で結果を見たい」「属性別でも分析できると良い」といった声が上がり、自ら改善に向けたアクションを起こす管理職層も増えてきました。
齋藤:結果を数値として“見える化”し、「どこが伸びたのか」「どこに改善の余地があるのか」を定量的に把握しやすくなったのは、大きなメリットです。経営層や管理職層は、結果をグループ会社との比較分析や報告などに活用しており、当社の現状をより客観的に理解する手掛かりとして役立っています。
寺島:管理職層に測定結果を共有するだけでは、本質的な改善にはつながりません。大切なのは、その結果をもとに、部内やチーム内でどのようなアクションを起こすかです。一方で、管理職層の独断による対応は、必ずしも良い結果につながると限りません。また、事務局のリソースには限りがあり、個別サポートが十分に行き届かず、現場の対応が管理職任せになってしまうケースもあるのが実情です。だからこそ、蓄積されたノウハウやナレッジを活用しながら、より効果的な対策を導き出すことがますます重要になってきます。
齋藤:Viva Glintは、エンゲージメントサーベイの結果をもとに、改善に向けた具体的な「推奨アクションを提示する」機能を備えているので、部下との1on1ミーティングの際などに活用できます。 改善に向けた洞察や、推奨アクションなどのインサイトが非常に分かりやすく、行動の改善につなげやすい点は、Viva Glintの大きなメリットのひとつだと感じています。
Viva Glintは、エンゲージメントサーベイ機能に加えて、従業員同士が互いにフィードバックを送り合う「360フィードバック」機能も備えています。
ホンダテクノフォートでは、2025年にこの360フィードバック機能を試験的に導入し、活用効果についての検証を進めています。
寺島:自己成長に向けて、周囲の人からフィードバックを受ける「360フィードバック」機能は、当社が抱える課題や、目指す組織像に非常にフィットしていると感じています。他の従業員への関心を喚起し、互いの長所に自然と目が向くようになります。機能の活用を通じて、会社のことをもっと好きになってもらいたい――総務人事部のメンバーでは、“従業員Love”をテーマに、この取り組みを進めています。全社的な一方向のサーベイであるエンゲージメントサーベイに加えて、個人単位での双方向のサーベイである360フィードバック機能を試験導入したことで、欧米的な人材マネジメントの考え方に触れられたことも、大きな学びとなりました。日本では「弱みを改善する」「上司が部下を評価する」といったスタイルが一般的であるのに対して、360フィードバック機能のベースにあるのは、「強みを伸ばす」「互いに評価し合う」といった文化や価値観だと思います。これに出会えたことは、当社のようにローカル色の強い企業にとって、とても新鮮で貴重な経験でした。Viva Glintについて、導入から支援いただいているEngage Squaredには、こうした考え方や文化的背景も含めて丁寧にコンサルティングしてもらいました。
早乙女:上司と部下が互いにフィードバックし合える文化の浸透を通じて、当社はさらに成長できると期待しています。
佐野:Viva Glintに360フィードバック機能が組み込まれている点からは、エンゲージメントサーベイの結果をアクションに繋げることの重要性がよく分かります。
寺島:エンゲージメントサーベイと360フィードバック機能はセットで活用するのが望ましいですが、ただ導入すればよいというものではありません。大切なのは、それぞれの機能と役割をしっかり理解し、実効的な活用法を考えることです。今回の360フィードバックの試験導入を通じて、まさにその工夫や試行錯誤こそが、私たちにとっての大きな成果だったと実感しています。
齋藤:エンゲージメントサーベイは、スケジュール通りに実施する必要があり、延期や中止ができない仕組みです。正直なところ、Viva Glint導入から初期設定を終えた後、全社員へサーベイをスケジュール通りに展開できるのかと不安はありました。しかしEngage Squaredには、この取り組みを柔軟かつ迅速に伴走支援していただき、無事に最後までやり切ることができました。設定作業をはじめとする技術的支援の信頼性はもちろんのこと、常にフレンドリーな姿勢で接してくださったので相談がしやすく、非常に安心感がありました。
佐野:社外のパートナーというよりも、チームの一員として一緒に取り組んでいただいたと感じています。Viva Glintの魅力として、ユーザーインターフェースの視認性の高さと、直感的な操作感も挙げられます。実際、サーベイ後にユーザーからの操作に関する問い合わせはなく、「使いやすい」という声が寄せられました。管理者側の視点からも同様で、機能が把握しやすいです。
齋藤:Microsoft 365を導入している当社では、Viva GlintとMicrosoft 365のシームレスな連携も魅力です。今回のエンゲージメントサーベイの回答率は、当社として過去最高の99%を記録しました。これはHondaグループ全体で見ても、極めて高い水準です。成功要因として、ユーザーが回答しやすいViva Glint のUIに加えて、設問設計においてEngage Squaredから、意図に配慮した精度の高い設問の日本語訳を提供いただいたことが挙げられます。
寺島:Hondaにはチャレンジを歓迎する文化があり、私たちホンダテクノフォートも「Go beyond impossible(可能性を現実に。)」を掲げています。今回、”日本でのViva Glint導入におけるフロントランナー”として、Viva Glintのような新しい製品に実際に触れたことで、多くの気づきや学びが得られました。やってみてはじめて見えてくる従業員の反応や、そこから生まれる次のアクション。こうした実体験を通じて得た財産は、人事としてのGo beyond impossibleにも繋がると思います。
また、Viva Glintの活用をきっかけに、Microsoft 365の中のまだ活かしきれていないツールや可能性に改めて気づきました。今後はIT部門や他部署とも連携しながら、より大きな組織変革にも挑戦していけるはずです。
本記事をご覧いただいている人事の皆さまにも、ぜひチャレンジを恐れず、フロントランナーとして新たな一歩を踏み出していただければと思います。その一歩が、自社の変革を生み出し、自分自身の成長にもつながっていく――私たちはそう信じています。
本事例の詳細や、お問い合わせなどは、以下をご覧ください。