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Client

Amorepacific

Service

Viva Engage Migration

Industry

Beauty and Personal Care

Country

Global

1945年創業のアモーレパシフィックグループは、Sulwhasoo(雪花秀・ソルファス)、ETUDE(エチュード)など30以上のブランドを展開する、韓国を代表する総合ビューティーカンパニーです。

WorkplaceからViva Engageへ

アモーレパシフィックは、韓国を代表する化粧品メーカーであり、世界各地で多彩なブランドを展開しています。
スピードが早く競争の激しいビューティー業界において、社員同士がつながり、活発にコミュニケーションを取ることは、組織の成長に欠かせません。経営層や市場からも、デジタルツールを活用したスムーズな連携やコラボレーションの実現が求められています。

同社ではこれまで、「Workplace」という社内SNSを通じて、チーム間で最新情報を共有し、成果を称え合い、国や地域を超えてつながってきました。Workplaceは、新製品の発表や販売現場のインサイト共有、ブランドストーリーテリングなど、社内コミュニケーションの要として重要な役割を果たしてきました。

しかし、Workplaceのサービス終了が近づく中、同社はMicrosoft 365への本格移行に合わせ、社内コミュニティを「Viva Engage」へ移行する決断を下しました。これにより、日常的に利用しているMicrosoft 365ツールと同一の環境内で、情報共有やアイデア交換が行えるようになり、より統合されたデジタルワークプレースを実現しています。

セキュリティ要件と移行スケジュールの両立

アモーレパシフィックは、Workplace上で8年にわたる運用を重ねており、膨大なコンテンツを保有していました。Workplaceは、業務連絡からキャンペーン企画、コラボレーションまで、ビジネスに欠かせない情報共有の場として活用されていたのです。

今回の移行における最大の課題は、限られたスケジュール厳格なセキュリティ要件の両立でした。
社員は金曜日までWorkplaceを利用し、翌週の月曜日にはViva Engageへのログインと利用を開始する必要がありました。つまり、実際の移行作業に与えられたのは、わずか週末2日間。一切の遅延やデータ欠落が許されない状況でした。

さらに、同社は厳しいデータセキュリティ基準を設けており、移行は同社の自社Azure環境内で完結させる必要がありました。短期間かつ高い安全性を求められる中で、スムーズな移行を実現することが求められたのです。

当社開発の独自ツールで移行を実現

当社はまず、アモーレパシフィックの担当者さまと密に連携し、Workplaceが日々どのように利用されているか、詳細に把握することから始めました。現状の利用状況を一緒に確認し、移行が必要なアクティブグループを特定。移行作業にあたっては、同社の厳格なデータセキュリティ要件を満たすため、自社Azure環境上に専用の移行ツールを構築しました。

また、本プロジェクトは当社にとって韓国企業として初めての移行案件であったため、韓国語の投稿・コメント・グループ情報などが正しく移行されるよう、入念なテストを実施しました。

さらに、WorkplaceのAPIに存在する制限を回避するため、画像データを補完・再挿入するための独自ツールを開発。これにより、標準エクスポートでは取得できない画像も正確に再現することができました。

わずか2日間という短期間での移行を成功させるため、まず全体データを迅速に移行した上で、追加分のみを複数回に分けて反映する「デルタ(差分)移行」戦略を採用。最終的な移行範囲は、200を超えるグループにおよび、多いものでは数千人のメンバーと数万件の投稿・コメントを含む大規模なプロジェクトとなりました。

移行はゴールではなく始まり

本プロジェクトは予定通り成功し、アモーレパシフィックの社員は業務を中断することなく、移行前と同じようにすぐにViva Engageでコミュニケーションを再開。Microsoft 365への移行直後から、ビジネスに不可欠なコミュニケーションを継続できる環境が整ったほか、今回の移行では、200を超えるグループ数千人のメンバー数万件におよぶ投稿やコメントが対象となり、膨大なコンテンツが正確かつ安全に移行されました。

さらに、ユーザーがスムーズにViva Engageを利用し始められるよう、簡易トレーニングと利用ガイドの提供といったチェンジマネジメント支援も併せて実施。これにより新しいMicrosoft 365環境内で自然に利用を開始でき、過去の重要な情報やナレッジにも容易にアクセスできるようになりました。