Services
Teams, Viva Insights
Industry
商社
Country
日本
大手総合商社:A社のIT担当者様は、従業員エクスペリエンスの改善・更なる向上を目的に、数年前から、従業員の働き方の可視化を検討及び検証をしていました。
具体的には、Microsoft Teamsを始めとする業務ツールの利用データをもとに、従業員のパフォーマンス状況や、部署間コラボレーションを始めとする働き方の定量面をレポート化。人事部のエンゲージメントサーベイや、労働組合の労務取り組みといった定性情報と突き合わせながら、レポートの定期モニタリングを通じて、課題(チャレンジ)を見つけ出し、改善施策を企画・実行していく――、といったイメージです。
上記の本格検討に向けた次なる第一歩として、業務ツールの利用データを抽出し、サンプルレポート作成及び検証をいたしました。
すると、興味深い事実が分かってきました。
全ての従業員が業務ツールを十分に利用(使い倒し)しているわけではなく、特にMicrosoft Teamsにおいては、毎日利用している/時々利用している/全く利用していない、といった具合にユーザー層が複数あり、利用状況がバラバラ。
このような状況下では、働き方の可視化を行っても、データに整合性が無く、妥当な実態を把握の上で価値のある改善施策を生み出すことが難しい、と両社で意識合わせをいたしました。
上記と併せて、Microsoft Teams及びM365の活用推進を担当するIT部内には、下記のような課題感もありました。
課題例①:体制変更に伴う引き継ぎ
異動・体制変更は、どの組織にも起こり得ること。その際、後任者は、前任者が熱量を持って推進していた取り組み・施策について深く理解し、「自分事」として捉え、実行していくのに、時間を有してしまうケースも少なくはないです。
本事例のA社(IT部)も例外ではなく、仮にスムーズな移管(引き継ぎ)が出来たとしても、その後の実行の継続性が難しく、移管~実行の間に大きな壁があることを、感じていました。
課題例②:業務ツール活用推進の体力不足
IT部の担当者は複数タスクを抱えているため、多忙を極めており、一つの施策についてな状態で企画し、PDCAサイクルを定型化・振り返りを行う余裕がありません。特に施策の企画においては、予算や、内部の体力事情等も鑑みる必要があり、自由な発想がしづらくなっていました。
また、全社のMicrosoft Teams利用においては、下記の課題感もありました。
課題例③:Skype for Businessの後継というイメージからの脱却
A社では、チャットツールとしてSkype for Businessを利用しており、左記の後継、また、コロナ禍におけるリモートワーク基盤の充足と併せ、数年前にMicrosoft Teamsを導入・展開しました。
従業員に対するMicrosoft Teamsの訴求コンセプトとして、「Skype for Businessの後継アプリ」という打ち出しをし、後継という認知はしてもらえたものの、後継以上のバリューを訴求できていない、という大きな課題感がありました。
Microsoft Teamsは、積極的な機能アップデートを重ね、数年前と現在では、製品コンセプトや、画面UI・機能、そして品質も、拡張・改善されています。左記のような情報を、従業員に訴求できていないため、従業員にはMicrosoft Teamsに対してネガティブイメージを持つ方も多く、そのため、全ての従業員が業務ツールを十分に利用(使い倒し)していないことに繋がるのではないか、という仮説を担当者の方も持っていました。
(※下記画像:上記③を始めとする全社のTeams利用における課題/チャレンジを踏まえ、Teams使い倒し訴求のテーマを設定)
このような背景や、課題感を踏まえ、働き方の可視化に向けたはじめの一歩として、「Microsoft Teams使い倒し(定着化)に向けた施策企画&ロードマップ策定」ご支援をさせていただきました。具体的なアプローチ例は下記の通りです。
ステップ①:自社でMicrosoft Teamsを更に利用していく!ことのイメージ付け
まず、担当者様にMicrosoft Teamsの利用シナリオを始めとするレクチャー・議論を行い、業務ツール(今回はMicrosoft Teams)利用の推進に向けて、製品への納得感を得ていただきました。
本ステップで重要なポイントは、一般的な製品の概要論に留まるのではなく、自社での更なる利活用のイメージを、きちんと担当者様に持っていただくことです。
ステップ②:自由な発想で施策案を企画!ワークショップ
課題例②でも記載した通り、フレッシュな状態・自由な発想での企画を実現するため、5パターンのペルソナ(※下記画像)を用いたワークショップを実施しました。
このペルソナは、実際にユーザーインタビューを行い、ユーザーが抱いていたMicrosoft Teamsへの期待点や課題点等を反映しています。ユーザーの立場・気持ちになりきることで、より本質を捉えた施策案の企画となりました。
ステップ③:施策案の纏め・ロードマップ策定
課題①でも記載した「実行の継続性」に向け、弊社で施策案のラベリング等を実施した後、ロードマップは両社で策定しました。
ラベリング例:
・未利用者へのリーチ活動(ユーザー層拡大化)
・コミュニケーションルール整備(カジュアル化)
現担当者様・後任担当者様が実状況を踏まえながら、ロードマップを精緻化することで、無理のないロードマップを描けたほか、後任担当者様の納得感を得ることもできました。
両社で策定した実行性の高いロードマップを、担当者様が実行していらっしゃる最中です。
今回のご支援(本事例)は、お客様が検討されている「従業員エクスペリエンスの改善・更なる向上を目的とした、従業員の働き方の可視化」の入り口に過ぎません。
人的資本経営を鑑みた従業員エクスペリエンスの改善・更なる向上の実現に向け、本支援で出た施策案の実行が梃子となり、業務ツール(Microsoft Teams)が使い倒された後、初めて、働き方の可視化(定量面)に意味・バリューが出てくると、弊社は考えています。